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14年の日本人訪問者数50万人目標に

記事の概要

フィリピン観光推進局のドミンゴ・ラモンC.エネリオ3世氏は24日に開催されたセブパシフィック航空のイベントで、2014年の日本人訪問者数の目標を50万人と発表した。

エネリオ氏はセブパシフィック航空の関空線増便や成田線、名古屋線の新設でフィリピンと日本との間で運航する航空座席数が約3万2000席台まで増加するため、50万人達成は十分可能だという見込みを示した。

元の記事を読む→ 【2014年01月27日:travelvision

フィリピン-日本線、春から激増

フィリピンが日本からの訪問客の増加に大きな期待を寄せています。元記事にある通り、2013年度に44万人であった日本人訪問客を今年は50万人に2割近くアップさせるという意気込みです。その背景にあるのが航空便の増加です。

区間航空会社便数
羽田-マニラ全日空週7便
フィリピン航空週14便
成田-マニラフィリピン航空週14便
セブパシフィック航空週7便
成田-セブフィリピン航空週8便
中部-マニラセブパシフィック航空週4便
関空-マニラセブパシフィック航空週4便

昨年の12月から今年の3月にかけて、日本とフィリピンを結ぶ航空路線が大幅に増えます。羽田ーマニラで1日3往復増える他、成田-マニラでも3往復増えます。首都圏ーマニラだけで1日6往復の増加です。

それとは別に成田-セブも現在の1日1往復(週6日)が2往復に倍増し、名古屋でも週4便増えます。大阪は12月からデイリーになり以前より4便増えています。

便数が増えればスケジュールを組みやすくなりますし、競争が起こってチケット代も下がるでしょうから、マニラ在住日本人の1人としては喜ばしい限りではあります。

飛行機増やせば観光客増える?

しかしですよ、飛行機を増やせばやって来る観光客が増えるって、それは考えが甘すぎるってものですよね。

そもそも現時点でフィリピン-日本線はそこまで供給切迫しているとは思えません。去年の春、セブから成田まで乗った時は機内ガラガラで快適フライトだったし、名古屋へのチケットをこの前予約した時も売れ残ってたのか割引キャンペーンだったし。比較的好調なセブパシの関空-マニラ線でも搭乗率は平均で80%くらいだそうです。

そんなフィリピン-日本線に週60便近く増便して座席が埋まるのか? 座席を供給したら訪問客が2割も増えるのか? どう考えても見通しが甘すぎるように僕は思います。

日本人がフィリピンに持つイメージ

フィリピンにやって来る日本人はそこまで増えない。そう思う理由はフィリピンに対する日本人のイメージです。

確かにセブやボラカイの美しいビーチがあるでしょう。ダイビングやスキューバなどマリンアクティビティも充実しているでしょう。でも一般的な日本人が持つフィリピンのイメージは、何よりもまず「危険」なのではないでしょうか。

銃犯罪がある。スラムがあるなど貧富の差が激しい。ミンダナオでドンパチやってる。治安が悪い。毎年何人か日本人が殺される。台風でたくさん人が死ぬ。日本人がフィリピンって聞いてまずイメージするのはこういったことであるはずです。

多くの日本人にそういうイメージがあるのに、美しいビーチでバカンスが楽しめますよ~♪って言って誰が喜んでくる気になるでしょうか。命の危険を犯してまでダイビングをしようとは思わない。普通の日本人はそう思いますよ。

また最近ではフィリピンへの留学が流行っているそうですが、フィリピンの学校や仲介業者に寄せられる問合せで圧倒的に多いのは、フィリピンって安全ですか?だそうです。また、学校を紹介してほしいという時に真っ先に上がる条件は、治安の良いエリアにあること、だそうです。

アメリカとかに留学するよりはるかに安上がりだからフィリピンに留学したい。でも治安が悪いみたいなので怖い。でも安いから思い切って行ってみよう。つまり、みんなオッカナビックリでフィリピンに留学に来てるってことです。こんな状態で訪問客が2割も増えるわけないやろ~?

きっと埋まらずディスカウント

だから本当に外国人訪問客を増やしたいならば、フィリピン政府は貧困とか治安とか災害とか、そういったフィリピンに対するマイナスイメージの原因を真剣につぶすべきです。死に物狂いで。でもなぁ…

政府にお金がないとか言うだろうけど、金があるところから引っ張ってくれば良いんだよね。

例えば僕の家の近所は下水道が整ってなくて雨のたびに道路が冠水します。ですがその一方でフィリピンは不動産バブルの真っ最中なので、うちから半径200mくらいの範囲だけで新しいマンションを5つ建設中です。(むちゃうるさい!)

そこで、マンションを新築する際にディベロッパーに周辺の排水対策を義務付けるとか。他にも新築工事では近隣のスラムの住民を最低何割雇用しなければならないとか。マニラ湾の周辺でカジノとか開発中ですが、そういった業者に毎年台風被害がある東ヴィサヤに防波堤を作ることを押し付けるとか。要は儲かってるところに金を出させる。

でもなぁ、それはつまり既存の富裕層から貧困層へと富の再配分を行うってことなんですよね。そしてそれが原因で大騒ぎになっているのがタイです。タクシンとインラックが北部の農村にバラマキをし、南部の中間富裕層の既得権益に手を付けた。それで既得権益層が反タクシンで大規模なデモを実姉、国政が混乱。その結果、観光客激減。飛行機空席だらけ。

しかしまぁ、フィリピンでそんなことは絶対に起こりませんよね。政府は富裕層とベッタリで、貧困層への富の再配分なんて絶対にしないですから。

ってことで、フィリピン-日本線が春から大幅増となりますが、座席が埋まることはありません。きっと大幅ディスカウントが起こり、僕のお財布にやさしい日比航空業界となってくれることでしょう。\(^o^)/